40代サラリーマンの日記

わたくし、40代のサラリーマンの日常を書いています。

イノベーションが消えたアップルはどこに向かうのか?

アップル社の業績は好調で、売り上げが下がっても利益は上昇を続けています。利益率の高い商品を巧みに販売する鮮やかな手法は健在で、今のアップルが怪物的企業なのは間違いありません。しかし問題を抱えているのも明らかで、その最大のものが2010年iPad以来、ヒット商品を出せていないのです。
 

アップル・ウオッチのつまずき

野心的な試みのアップル・ウオッチは、大失敗というほどでもないようですが、成功とは言えない状況です。
 
野心的な試みが多いのですが、致命的なのはワクワク感がないことで、アップル・ウォッチを所有することで、生活がどのように変わるかイメージがつかないのです。従来のアップルは、このイメージ想起が得意でした。
 
アップル・ウォッチの苦戦を見て「そもそもニーズがない」という指摘もありますが、それは見当違いの指摘です。ニーズがないところに市場を作り出すのがイノベーションであり、従来のアップルが得意としていたことです。
 

アップルのイノベーション

iPodが発売された時に、全てのライブラリを持ち歩こうと言われて、ピンときた人は少なかったはずです。家に100枚のCDがあっても、持ち歩くのはお気に入りの曲やその日の気分で決めるのが常識でした。日本ではMDの全盛期ですから、ウォークマンに十数曲が収められたMDを1枚か2枚持っていくわけです。
 
しかしアップルは「家にある100枚のCDを全部持ち歩くと楽しいよ」と言い、そのために 500ドルもするiPodを買えと言っていたのです。実に馬鹿馬鹿しい話だと、大半の人が思いました。しかしアップルはシャッフル機能で100枚のCDを聴くと、新しい体験ができると主張し、やがて同調する人達が現れて世界的大ヒットになりました。
 
iPadの登場時も同様で、タブレット型のコンピュータへのニーズはあったでしょうが、少数の声でした。キーボードがないコンピュータは、入力インターフェイスが劣るからです。当時はネットブックが流行していましたが、ジョブズはそれらを「ガラクタ」と切り捨ててiPadを発表しました。発売後はネットブックは消え去り、タブレットは人気のカテゴリーになっています。
 

商品開発力は低下していないか?

ジョブズ復帰以降のアップルは、ヒットした商品にばかり目が行きがちですが、失敗作も数多くあります。華々しいデビューの後、批判を集めたものや全く売れなかったもの、話題にすらならずにひっそりと姿を消していったものも、実は多いのです。
※アップルのニュートン。早すぎたiPadだったのかも。
失敗を繰り返しながら、成功を掴んできたわけですが、最近は成功がない割に失敗もないように思います。
 

ジョブズ復帰以降の失敗作

圧倒的に美しいデザインに不足したパワーとリソースを兼ね備えていました。何より高価で、話題になったものの売れませんでした。
※宙に浮くような筐体で、圧倒的な美しさでした。
iChat (2002年)
Mac OS Xに搭載されたチャット機能です。ビデオチャットを搭載すると、ジョブズは画期的な製品だと賞賛していました。しかし多くの人はSkypeを利用しました。
※使いやすいチャットでしたが、Macでしか塚会えないのが残念でした。
iTunes Phone (2005年)
iPhoneの前にモトローラと手を組んで出した商品で、音楽が聴ける携帯電話でした。発売されたことすら、記憶していない人の方が多いと思います。
※100曲しか入らず、パソコンに繋ぐ必要がありました。
iPod Shuffle (2009年)
3代目のシャッフルは、本体に電源/ロックボタン以外は何もない、シンプルの極みでした。シンプルすぎて使い勝手が悪く、わずか1年半で姿を消します。
※専用リモコンもボタン一つで、シンプルすぎて面倒でした。
Ping (2010年)
音楽を軸にしたSNSで、何ができるのかわからないままサービスを終了しました。Facebookとの統合も噂されましたが、交渉が失敗すると、そのまま終焉しました。
※「ラジオ以来の発明」と豪語していました。
細々したものを含めると、さまざまなものがひっそりと消えていきました。
 

顧客の声に耳を傾ける

ジョブズが去ったアップルの大きな変化は、顧客の声に耳を傾ける姿勢が見えることです。ジョブズは顧客の声を聞いてはいましたが、意図的に無視することが多くありました。
※ユーザーからのメールに「お前はバカか?」と返信した、なんて話もありました。
大衆が望むものが欲しいものとは限らず、大衆は自分が欲しいものが何なのかわかっていないこともあります。だから顧客の声を聞きすぎて、迷走した会社はいくつもあるのです。顧客の声を聞くのは一般的な会社では当然のことですが、アップルが普通の会社になろうとしているように見えます。
 

まとめ

不思議で仕方ないのは、アップルが以前のように野心的な商品を発表しなくなったことです。アップルは傾きつつある会社ではなく、多額の現金を保有している会社です。失敗しても、致命的なダメージは受けません。金余りのこの時期に、守りに入っているような印象を受けます。
 
ジョブズのように、普通の製品を画期的な製品に見せる魔法を持った人がいないので、以前のようにはいかないので難しい部分もあるでしょう。しかし、そんな魔法のようなスキルを持った人は滅多にいないのです。このままブランドに傷がつくことを恐れ、顧客が望むものを提供するだけでは、アップルは平凡な企業になってしまいます。
※こんな本社ビルに大金を使うより、開発にもっと投資した方が良いのでは・・・?
この平凡な大企業への道を、歩んでいるような気がしてなりません。

なぜジャッキー・チェンはハリウッド進出に失敗したのか?

ジャッキーがハリウッドで失敗?あんた「レッド・ブロンクス」以降のアメリカでの人気を知らないのか?と言われるのを承知で、このタイトルにしてみました。あえて失敗と書いたのは、ヒット作が出た後も本人の思惑とは違った受け取られ方をしてしまい、それが「ハリウッド進出には失望した」という発言に繋がっていると思われるからです。 

1.ハリウッド進出への熱意

ブルース・リーの「燃えよドラゴン」(73年)がアメリカで製作されヒットしてから、香港の映画会社ゴールデン・ハーベストは次のアメリカ進出を目論んでいました。そしてアメリカで成功したブルース・リーは、香港で尊敬の対象となり、映画俳優ならいつかはアメリカで成功したいという機運がありました。
 
ジャッキー・チェンは香港でトップスターになり、日本で人気を得たことで、次にアメリカ進出というのは当然の流れでした。彼は並々ならぬ意欲で、ハリウッドに進出します。
 

2.最初のハリウッド進出

燃えよドラゴン」の監督、ロバート・クローズを迎えて、カンフー映画「バトルクリーク・ブロー」(80年)が製作されました。しかしジャッキー・チェンは監督と衝突を繰り返します。衝突の原因はアクションシーンの演出で、映画の出来栄えにジャッキー・チェンもロバート・クローズも満足がいかず、当たり前ですがヒットしませんでした。
※「バトルクリーク・ブロー」のポスター
次に「キャノンボール」(81年)と「キャノンボール2」(83年)に出演します。パート・レイノルズ主演のカースタント映画で、レーサー役の1人として、コメディリリーフとしての出演でした。映画はソコソコのヒットでしたが、オールスターキャストで撮られたため、ジャッキー・チェンの名前はさほど話題になっていません。
※アメリカ向けポスターの多くには、ジャッキー・チェンの顔はありません。
そしてB級映画の巨匠、ジェームズ・グリッケンハウスを監督に迎えた主演映画「プロテクター」(85年)が製作されます。アメリカを舞台にした刑事もので、ジャッキー・チェンは刑事役でした。しかしここでも演出を巡って監督と衝突を繰り返し、出来栄えに満足しないジャッキー・チェンは自腹で権利を買い取り、再編集してしまいます。そのため本作には、グリッケンハウス版とジャッキー版の2種類が存在し、どちらもヒットしませんでした。
これ以降、ハリウッドからは遠ざかることになります。
 

3.なぜ監督と衝突を繰り返したのか 

「バトルクリーク・ブロー」も「プロテクター」も、ジャッキー・チェンのアクション・シークエンスが問題でした。ハリウッド映画では、ジョン・ウェインの「スポイラース」(42年)から、大男がフラフラになるまで渾身の力をこめて殴り合うのが定番でした。雨の中で殴り合うのを定番化したのもこの映画です。
ジョン・ウェインの「スポイラース」
アメリカでアクション指導をしていたブルース・リーは、アメリカの観客にどうすれば自分を魅せることができるかを熟知していました。リーは「燃えよドラゴン」で、ジョン・ウェインのように一撃で殴り倒すだけでなく、スピードと動きのキレを見せつけました。2m近いジョン・ウェインのような迫力が出ない小柄なリーは、このスピードとキレで観客の目を釘付けにしたのです。
 
ジャッキー・チェンがハリウッドに進出した際に、ハリウッドが求めたのはアメリカの俳優にはない、このスピードとキレでした。しかし武術を学んだ経験のないジャッキー・チェンには、リーのようなスピードやキレはありません。彼の持ち味は身の回りも物を小道具に使う、コミカルなアクション・シークエンスです。これはハリウッドが求めたものではありませんでした。
 
ドタバタと何発も殴り、お盆や花瓶を使って倒すのは、アメリカでは主人公のピンチを助けるヒロインの動きです。現在のように香港映画が流通し、「マトリックス」もヒットした現在ならジャッキー・チェンのアクションも違ったとらえ方をされていますが、当時のアメリカでは主役の男性の動きではなかったのです。
 

4.アメリカへの働きかけ

香港のゴールデン・ハーベスト社にとって、アメリカ市場の開拓は悲願でした。そこでジャッキー・チェンの進出失敗後も、さまざまな映像をアメリカに持ち込んでいました。その中でジャッキー・チェンの映画「ポリスストーリー3」に関して、アメリカ側からこんな質問があります。
 
「ヘリコプターから主役の男性が列車に飛び降りる場面は、どうやって撮影したんですか?」
 
ゴールデン・ハーベスト社の担当は「見たままです。主演のジャッキー・チェンが、走っている列車にヘリから飛び降りました」と答え、質問した側はショックを受けます。
 
「クレイジーだ!頭がおかしい!」
 
こうして「ポリスストーリー3」は、ハリウッド関係者の間で「イカれ俳優がクレイジーなスタントを行った映画」として知られていきます。ゴールデン・ハーベスト社は、糸口をつかみました。アメリカ市場の糸口は、ジャッキー・チェンのスタントでした。そこでアメリカ市場を前提にし、スタントを中心にした映画「レッド・ブロンクス」が製作されました。
※命綱なしで主演俳優がこんなことをやるなんて、クレイジーすぎますよね。

5.再びハリウッド市場へ

96年にアメリカで「レッド・ブロンクス」が公開された時、配給会社はスタントマン抜きで俳優が全てのアクションを行っていることを宣伝材料にしました。アメリカにもスタントマンを極力排する役者はいましたが、「レッド・ブロンクス」の過激さはそれらを上回っていました。
※「レッド・ブロンクス」のポスター
そして「レッド・ブロンクス」は、ハリウッドの関係者にスタント以外にも目を向けさせました。ジャッキー・チェンのコメディアンとしてのセンスです。そしてこれが新たな企画を生みました。コメディアンのクリス・タッカーとの共演作品「ラッシュ・アワー」(98年)です。
※興行収入は2億4000万ドルにものぼりました。
コメディを軸にしたアクション映画なので、ジャッキー・チェンのドタバタした動きも活かせました。黒人とアジア人のダブル主演は客層が限定されるという見方もありましたが、1億ドルを超える大ヒットになり、ジャッキー・チェンのスタントマンを使わないアクションはここでも話題になりました。
 

6.ハリウッド進出を失敗と書いた理由

ジャッキー・チェンが香港で主演を務めるようになった頃、香港映画はどれもブルース・リーの映画のコピーでした。しかし本格的に武術を習った経験がないジャッキー・チェンには、ブルース・リーのような動きはできず、またブルース・リーの真似では役者として大成しないという不安もありました。
 
プロデューサーの要求とオリジナリティとの葛藤の中で生み出したのが、バタバタと動き回るコミカルなアクション・シークエンスで、これが評判になりジャッキー・チェンの代名詞になります。
 
しかしハリウッドに進出すると、またしてもブルース・リーの真似を要求され、それでは自分らしさが出ないと自分のスタイルを通そうとして衝突してしまいました。ですからジャッキー・チェンは、単にアメリカで成功したいのではなく、自分のスタイルで成功したいと思っていたのではないでしょうか。
 
「ラッシュ・アワー」の成功は、ジャッキー・チェンの名前をアメリカに知らしめました。しかしこの成功は、ジャッキー・チェンは単体では主役を務められないことを証明し、彼のアクションはコメディリリーフとしてのみ機能することを証明しました。そしてアメリカでの評判は、彼のコミカルなアクションよりもスタントだったのです。
 
ジャッキー・チェンが「アメリカ進出は失望」と語るのは、自分のスタイルが否定されたからだと思います。
 

7.時期も悪かった

80年代にジャッキー・チェンがハリウッドに進出した頃、ブルース・リーに続くカンフースターとして、チャック・ノリスが人気絶頂でした。チャック・ノリスは空手の有段者で、大きな大会での優勝経験が何度もあります。さらにブルース・リーと仲が良く、彼の映画にも敵役で出演していました。
チャック・ノリス
英語が十分に話せないアジア系のジャッキー・チェンでは、興行的に敵わないのは当然ともいえるでしょう
 

8.まとめ

本人が望む形と求められるものがミスマッチだったのが、成功の妨げになったのは間違いないと思います。その一方で、アメリカで成功していたら、その後の数々の失言は致命的なダメージになっていた気もするので、これで良かったのではないかとも思います。
 
「どこかの国で、地震津波が起こればよい」というカリフォルニアでの発言は、なんとか取り繕うことができました。しかし泥酔して放送禁止用語を連発したり、数々の女性蔑視発言はアメリカではヒステリックな批判を浴びたでしょうし、弁解のしようがないレベルのものもありました(これらは徹底して日本のメディアは報道しないですね)。
 
アジアからはチョウ・ユンファジェット・リーなどがハリウッドに進出しましたが、今後はどのような役者が出てくるのか。そしてどのような形でハリウッドでデビューするのかを見ていきたいと思います。

 

 

トレンチコートの色は黒を避けた方が無難です

秋口から本格的に寒くなるまで、そして春先に活躍するトレンチコートは、一着持っておくと便利ですね。別にトレンチコートじゃなくてもコットンのコートなら良いのですが、今回は私の好みでトレンチコートの話をしたいと思います。
 

トレンチコートとは

トレンチコートはレインコートとして、雨風をしのぐために開発されました。そして陸軍に採用され、塹壕線を戦う兵士の使い勝手に合わせて、改良が続けられてきました。
第一次世界大戦の陸軍兵士
生粋のミリタリー・ウェアなので、機能性が最優先されています。デザイン性は機能美であり、オシャレに飾ることは度外視されています。男臭く、なんだか威張って見えるのは、ミリタリー・ウェアの出自によるわけです。
 

トレンチコートの歴史

起源は諸説ありますが、アクアスキュータムバーバリーの2社の歴史は、トレンチコートの歴史と言って良いでしょう。両社は防水性の生地を開発していました。
バーバリーの広告
トレンチコートの原型は、全くボタンがなく腰のベルトで開閉するタイロッケンコートと言われていて、それを元に陸軍用のコートが作られました。第一次世界大戦では陸軍に大量に納入されて、その防水性の高さが評価されました。
 
戦後も機能性の高さから兵士達が日常生活でも愛用し、さらに軍の余剰物資が市場に溢れたことから、トレンチコートは広く普及しました。霧のような雨が多いイギリスでは、重宝されたのです。
 

トレンチコートのディテール

ミリタリーウェアだった雰囲気を色濃く残しています。
 
ダブルブレスト
左右どちらから風が吹いても風が侵入しないように、右前でも左前でも着られるようになっています。
 
腰と袖のベルト
風が侵入しないように、腰と袖をベルトで閉めることができます。
 
ヨーク
肩口が一番濡れるので、雨が染み込まないように二重構造になっています。
 
ガンパッチ
ライフルを撃つと、ライフルの肩当てによってコートが擦れて破れるので、この部分が二重構造になっています。
 
エポーレット
階級章をつけるためのものです。軍服には、必ずといってよいほどあります。
 
Dリング
装備品を吊るすため、ベルトにつけられたリングです。手榴弾や双眼鏡、弾倉のポーチなどがぶら下げられました。
 
チン・ストラップ
顎の下のベルトで首を風から守り、襟からの雨の侵入を防ぐためのものです。
 
インバーテッド・プリーツ
これにより大股で歩く時にも裾が邪魔にならず、単なるスリットと違って雨でズボンが濡れることがありません。
 
ポケットのスリット
腰のポケットは、コートの内側に手が入るように貫通しています。バーバリーはスリットだけ、アクアスキュータムはポケットが付いてスリットも付いていることが多いのですが、例外もあります。コートの下に着ている上着のポケットからモノを取り出せる、便利な機能です。
 
マガジン・ポケット
コートの裾の内側にあるポケットです。私はマガジン=弾倉だと思っていたのですが、マガジンは雑誌のことでした。新聞や雑誌を放り込むポケットです。
 

アクアスキュータムバーバリー

アクアスキュータムバーバリーもロイヤルワラント(王室御用達)を授かったことがある由緒正しいブランドです。互いにトレンチコートを初めて作ったのは自社だと主張していますが、これはどちらとも言えないのが現状です。
明確な出典を見つけられないのですが、戦時下ではバーバリー製は兵士に支給され、アクアスキュータムは士官に支給されたといわれます。確かにアクアスキュータムの方が「偉そう」に見えるつくりになっているのですが、真相はよくわかりません。
ざっくりとした特色として、バーバリーはコートにくびれがない寸胴のシルエットでした。アクアスキュータムは、Aラインと呼ばれる裾が広がるシルエットでした。そのためバーバリーは粗野でタフなイメージがあり、ずぶ濡れになって裾を泥だらけにしても絵になる格好良さがあり、アクアスキュータムはタフなイメージの中にも品のある雰囲気でした。ただ長年培われてきたこれらのイメージは、現在では見られません。
 
全盛を誇った両社のレインコートも、化学繊維の発達で安価なものが溢れるようになり、いわゆる「イギリス病」の不景気などの影響もあって、徐々に売上げを落としていきました。
 
1990年に日本企業のレナウンに買収されます。レナウンアクアスキュータムをどうしたかったのか、側から見ると全くわからない展開で、右往左往しながら着実に業績は低迷していきます。
 
2009年に全株式を英国企業に譲渡しています。混乱が続いているため、ラインナップも伝統を継承したいのか、革新的なことをしたいのか、よくわからない状態が続いています。時折、ピート・タウンゼント・モデルなどの企画が単発的に行われています。
※このコートは本当にアクアスキュータム製なのだろうか?という疑問の声もありました。
若者向けのカジュアル・ブランドに舵を切ることで、売上げの不振を払拭しました。しかしその影響も大きく、90年代後半から2000年代前半には、バーバリー・チェックは不良少年のアイコンになってしまいます。特にバーバリー・チェックの帽子はコピー商品が氾濫し、「バーバリー・チェックを身につけた子と付き合うな」と親が子供に言うようになると、バーバリーは再びブランド戦略の見直しを迫られました。
バーバリー・チェック
不良少年への流行は、若者向けに安価な商品を出して手に入れやすくなったことに加え、当時絶大な人気を誇ったロックバンド、オアシスのメンバーがバーバリーを好んで着用したために、バーバリーを着て不満をぶちまけたりケンカを売るのが格好良いと思われたのです。
バーバリーのトレンチコートを着て歌うリアム・ギャラガー
現在は年齢層を少し高めにして、カジュアルからビジネスまで使える服を展開していますが、かつての粗野なイメージや質実剛健さは失われて、小綺麗な街着になっています。
 

映画の中のトレンチコート

映画の中には、数々のトレンチコートを見かけます。

トレンチコートといえば、帽子をかぶって襟を立てるイメージは、この映画のハンフリー・ボガートによって確立しました。しかし真似されすぎたために、安易に真似をするとコントの登場人物のようになります。
※君の瞳に乾杯
このコートはアクアスキュータム製と書かれることが多いのですが、クレスト・フェーラス社製のようです。
 
サムライ
アラン・ドロンの代表作ではないですが、トレンチコートの着こなしで有名な映画です。アクアスキュータムのこのモデルは、現在ではサムライ・モデルと呼ばれて古着市場で高い人気を誇っています。
アラン・ドロンは寡黙な男が似合います。
 
本来は脇役の1人でしかなかったクルーゾー警部が、ピーター・セラーズの怪演によって続編は全てクルーゾー警部が主演になってしまいました。「ピンクパンサー」シリーズの第1作です。
着用している70年代のアクアスキュータムは名作といわれ、現在でも古着市場で高い人気を誇っています。
 
オードリー・ヘップバーンのレディースのトレンチコートです。オードリーの専属ともいえるジバンシイのものだと思いますが、正確にどこのメーカーかはわかりません。
 
軍服としての正当な着こなしを、リチャード・クレンナ演じるトラウトマン大佐が実践しています。ベレー帽とトレンチコートがマッチしていますね。
 

トレンチコートの色

色はベージュが基本色ですが、見る角度によって色が変わる玉虫なども人気です。この2つがスタンダードな色だと思ってください。ネイビーやアイボリー等もあって、用途によって好きな色を選ぶのが良いと思いますが、黒だけは慎重になってください。
 
アメリカのコロンバイン高校での銃乱射事件の犯人グループ、トレンチコート・マフィアが黒のトレンチコートを着ていたため、アメリカでは黒のトレンチコートに良い印象がありません。元々は黒の服しか着用しないアーミッシュのために用意されたラインナップで、後に黒人たちにも愛用されました。黒に宗教や人種などで特別な想いがある人ならともかく、特に海外に行く予定のある人などは選ばない方が無難な色です。
※コロンバイン高校のトレンチコートマフィア

トレンチコートの着丈

レインコートですから、全身を包む着丈が標準サイズです。ひざ下ぐらいまであると、ズボンの裾も濡れにくくなります。一方で軽快さを求めて膝上ぐらいの着丈のモデルも古くからあります。
 
トレンチコートは上記のディテールのように、ゴテゴテといろいろなものがついているデザインなので、あまり短すぎると上ばかりが重くなりすぎてバランスが悪くなります。一時期は短いトレンチコートが流行りましたが、流行とはいえ奇をてらったデザインでした。短くても膝上ぐらいにしておくのが無難といえるでしょう。
 

まとめ

トレンチコートといえばアクアスキュータムバーバリーというほど、この2つがトレンチコートの代名詞ともいえるブランドです。この2つにこだわる必要はないと思いますが、元祖がこの両ブランドだと知っておいても損はないと思います。
 
なにせレインコートですので、かしこまって着る必要はありません。気楽にザクっと着るのが一番良いと思います。

スカジャンが話題だがスタジャンと混同してはいけない

小泉進次郎が着用したことで、突然スカジャンが注目を集めています。嵐の二宮だって阿部サダヲだって着たけど大して話題にならなかったのに、小泉進次郎だと売り切れが続出するのは面白い現象だと思います。そんな流れで、今回はスカジャンとスタジャンの話です。
 

スカジャンとは

戦後に日本にやってきた米兵は、日本でお土産を買っていきました。焼け野原の日本に大したものはないのですが、ひな人形が一番人気だったようです。銀座界隈に露店が並び、多少服が破れていようが汚れていようが、米兵は喜んで買って帰ったそうです。
※戦後の銀座の露店
そのうち商魂たくましい人達は、ひな人形を自作して売り始めます。米兵にそれっぽく見える人形を作り、それっぽい和装をさせて売るわけです。そしてアメリカ人の興味を引こうと、和装ではなく洋服で作る人、和風の洋服を人形に着せる人が現れて飛ぶように売れたそうです。
 
土産物屋の商魂は、ひな人形から本物の服に移行します。当時、安価に手に入ったレーヨンでジャンパーを作り、和風の模様を入れてシルクのジャンパーとして売ったりしていたそうです。やがてこのジャンパーはお土産の定番となり、米軍基地のPX(売店)にも納品されるようになりました。
 
このPXに納入していた和風刺繍のジャンパーこそスカジャンで、納入していた業者は戦前に生地貿易をやっていた港南という会社でした。現在は東洋エンタープライズという社名になっています。
 

スカジャンのブランド

安価で作れるため、多くのブランドが作っています。しかしここはやはり、東洋エンタープライズのスカジャンブランド、テーラー東洋を紹介するべきでしょう。
 
東洋エンタープライズは、古き良き良質な衣料を再現するのを得意とする会社で、スカジャンもかつての刺繍方法などを再現して、戦後のスカジャンの雰囲気を出すために惜しみない努力をしています。
 
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もう一社、ザ・フラットヘッド も紹介しましょう。長野県の会社で、材料から製造まで日本製にこだわった会社で、しかも可能な限り長野県産にする徹底ぶりです。高度な職人の技術が消えないように、なんとか付加価値をつけて販売するために奮闘しています。

 
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スカジャンを着る

似合う人と似合わない人が、ハッキリと分かれます。私の場合、借り物を着ているようになってしまい、スカジャンだけが浮いてしまいます。
 
基本的にどんな着方でも良いジャンパーですが、ジャンパーの個性が強いので、怖い顔の人がガチガチの不良系ファッションに合わせると、コスプレ感が漂います。むしろ優しい顔立ちの人が着た方が、似合っているケースが多いように思います。その意味で、元不良で現在は人の良いオジさんを演じた阿部サダヲは、とても似合っていたと思います。
※ドラマ「下克上受験」の阿部サダヲ

スタジャンとは

スタジアム・ジャンパーという和製英語の略称で、野球選手がベンチで着るジャンパーです。例によってVANが名付けています。胴体部分がメルトン生地、袖が革でできているのが特徴で、チームのマークなどワッペンを張ることもあります。
英語ではアワード・ジャケットと呼ばれていて、スポーツ大会などで優秀な成績を出した学生に与えられていたことから、この名前がつきました。これを着てベンチに座るのは、一種のステイタスだったんですね。
 

スタジャンのブランド

定番と言われているのは、GB SPORTSというアメリカのブランドで、80年ほどの歴史があります。おそらくスタジャンでは最大シェアでしょう。あちこちのショップで別注品も作っているので、手に入れやすいのも特徴です。


 
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かつて定番としてアメリカで多く売られていたのがホワイツビルというブランドで、60年代に倒産してしまいました。これを復刻させたのが、またまた東洋エンタープライズで、古き良き時代のスタジャンを再現しています。古いアメリカ映画で見られるスタジャンの雰囲気を色濃く出しています。


 
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スタジャンの手入れ

ウールと革が使われているため、どうやって手入れしたら良いのかわからないと言われます。汚れたらクリーニング屋に出す人が多いようですが、嫌がるクリーニング屋さんもいるようですね。
 
慣れた人は、ふつうに洗濯機で洗って日陰で時間をかけて乾かした後に、袖の部分の革にミンクオイルなどで抜けすぎたオイル分を補給しています。
 

スタジャンの着こなし

着方は自由で、どんな着方も大丈夫です。スーツのジャケットの代わりに着ようが、ジーンズに合わせようが、駐車場係のオジさんが着ようが、全く問題ありません。
ただ童顔の人が着ると子供っぽくなりますし、ワッペンがあるとさらに子供っぽくなります。ある程度年齢がいくと、渋く着ている人が多いように思います。
 

まとめ

ツイッターで、スカジャンと書こうとしてスタジャンと間違えている人を何人か見かけたので、スカジャンとスタジャンを並べてみました。アメカジの基本ですが、スカジャンは日本生まれでスタジャンはアメリカ生まれというのが、最大の違いでしょうか。

 

これだけ書いておいて、私は両方持っていません。どちらも似合わないんでよね(汗)

マンガの実写化映画という王道戦略が悲観に変わる

日本の映画の製作費は平均で3億円といわれ、アメリカ映画どころか中国や韓国よりも安いと言われています。しかし中国や韓国の映画に比べて出演料は高い傾向にあるので、映画のつくりがチープになる傾向があります。なぜ日本の映画の製作費が安いかというと、興行収入が低いからで、ようするに儲からないからです。

 

日本映画が儲からない理由

入場料が他国と比較して2倍以上するとか、娯楽が映画以外にも多いなどのさまざまな理由はあります。その中でも今回注目したいのは、海外マーケットです。アメリカの映画は、アメリカあという世界最大の市場で公開され、さらに世界各国に輸出されて莫大な利益を生み出します。

韓国は、中国を中心に東南アジアへの輸出に熱心です。近年ではTHAADミサイル問題で中国が韓国映画の輸入を禁止したために苦戦していますが、国内市場が小さいために外国に売り込むために策を練っています。

※世界的にヒットした中国映画「レッドクリフ

中国は東南アジアだけでなくアメリカにも熱心に売り込んでいますし、ヨーロッパはEU圏内だけでなくアメリカでの展開にも熱心です。しかし日本の場合は多くが日本向けに作られていて、輸出を前提に企画されることは稀です。

なぜ日本の映画は日本でしか売れないのか

日本の映画の多くが、タレントの人気に依存しているからと言われています。どんな映画かよりも誰が出ているかの方が重要で、出演者の人気と話題が興行収入に直結します。

もちろん内容は大事です。しかし少ない製作費の中から広告宣伝費には限界があり、話題のタレントを使えばメディアが勝手に宣伝してくれたり、タレントの所属事務所も協力してくれるのでメディア展開が容易になるメリットがあります。

日本で映画を作り、日本国内でしか人気がないタレントの影響力をフル活用する戦略では、海外展開が難しいのは当然のことなのです。

海外進出のキラーコンテンツ

問題は海外市場でも人気を得るような中身を伴った映画が、日本で作れるかということになります。そこで海外で高い評価を得ているコンテンツを映画化すれば、海外市場での話題性も十分で、興味をもってくれる人も多いはずです。

マンガ「るろうに剣心」は15カ国以上で発売され、アニメも多くの国で放送されました。OVA版のアニメ「追憶編」ではアメリカでほとんど広告展開がなかったにも関わらず、口コミとネットで評価が高まり、ビルボード・ビデオマガジンのランキングで7位まで登りました。海外で高い評価を得たマンガの一つです。

※「るろうに剣心 追憶編」アメリカでは圧倒的に美しく悲しい物語と評されました。

2012年に佐藤健の主演で実写化されると、2作目からはワーナー・ブラザースによる配給が決まり、2014年の「京都大火編」は海外でもヒットしました。興行収入は50億円を突破し、フィリピンでは2週間連続で観客動員数が1位になります。予告編がネットで公開されると同時に各国のファンからの期待の声が上がり、公開と同時にソード・アクション(チャンバラ)に賞賛の声が集まりました。

不発したキラーコンテンツ

残念ながら「るろうに剣心」は稀有な例で、マンガ実写化の多くは不発に終わっています。「進撃の巨人」は世界各国でマンガが発売され、高い人気を得ていました。その人気からイギリス国営放送のBBCも取り上げ、原作者への単独インタビューを放送するなど、高い注目を集めていました。

※不評だった実写版「進撃の巨人

しかし2015年に実写化されると批判が集まり、イギリスの配給会社からは「すごくレベルが低い。なんでみんな恥ずかしくないの?」と酷評される有様でした。海外配給も行われましたが、評価は決して良くはありませんでした。マンガの実写化は海外戦略にうってつけのはずですが、多くの実写化は日本でしか人気のないタレントの人気に依存した作り方に終始しています。

るろうに剣心は何が違ったのか

個人的に、この映画はさほど好みではないのですが、作り手の熱意は感じました。佐藤健武井咲のファンが見にくるだろうという、他の映画同様にタレントの人気に依存した広告展開は健在でした。しかし原作マンガの魅力である、ホッコリする部分と刹那的な激情の落差や、主人公が時折見せる凄みなどをなんとかして再現しようという意気込みもありました。

※実写版「るろうに剣心

本作の肝になるのは、最大の見せ場である主人公の殺陣です。「人斬り抜刀斎」と呼ばれ恐れられた人外の強さと凄みをスクリーンで再現するために安易なCGに頼らず、モンタージュ(殺陣のプロ役者と入れ替える)とカメラの切り替えを多用して、従来の撮影手法で撮影しています。これが高く評価されました。

まとめ

日本映画は海外市場での利益が望み薄なので、高い利益を上げられなくなっています。しかし海外で有名なマンガを実写化するのに、日本国内でしか通用しない手法で映画を作るため、せっかく海外で期待される実写かも失望に終わっています。コンテンツの無駄遣いに見えてしまいます。

日本の映画産業も大変なのでしょうが、大変な時期だからこそ海外でも通用するコンテンツは大事に扱って欲しいと思います。


LUNE MKⅣを買ってみた(その2)

前回のLUNE MKⅣの製品紹介に続いて今回は発注方法について紹介します。

[Null Audio]

Lune Series MKIV Premium Upgrade Cable for Earphones

Null Audio LUNE MKIV
Null AudioのサイトのLUNE MKⅣのページに移動してみました。

実はまだこの状態では[ADD TO CART]できません。

イヤホン/ヘッドホンによってコネクターの形状が違ったりするので、カートに入れる前にケーブルの仕様をカスタマイズしないとダメなのです。

[START CUSTOMIZATION]をクリックしてカスタマイズを初めてみましょう。

Null Audio LUNE MKIV

上のように、

  • イヤホンのモデル
  • ケーブルのスリーブ(ケーブルを覆う皮膜)
  • マイクの有無

をプルダウンメニューから選びます。

マイクの有無でNO(マイクなし)を選ぶと、

を選ぶメニューが追加されます。

Null Audio LUNE MKIV

私の場合は、

  • イヤホンのモデル: ULTIMATE EARS TF10
  • ケーブルのスリーブ: フルクリアー、スリーブ無し
  • マイクの有無: NO
  • ケーブルコネクター: VIABLUE T6S MINI

選択しました。

ケーブルのスリーブは、

  • フルクリアー:透明皮膜だけ
  • ハーフナイロンスリーブ/ハーフクリアー:コネクターからY部分までがナイロンの布で覆われていて、残り半分が透明皮膜

という選択ができます。

マイクの有無は、YESを選択するとコネクターが自動的にマイク対応のものに決まって、オプション料として20SGD(シンガポールドル)が加算されます。

ケーブルコネクターは、今回は耐久性の高いVIABLUE製のコネクターを選んでます。こんなの。

他にNull Audio製の3.5mm、2.5mm、4.4mmと、メニューに出てこないその他のコネクターもオーダー可能です。

Null Audio LUNE MKIV

オプションを選んでから[ADD TO CART]をクリックします。

カートの中を見ると上のようになっているはずです。

値段は日本円で9,983円と表示されていますが、これは為替レートと連動しているようです。

カートの中身に問題がなければ[SECURE CHECKOUT]から支払いに進みます。

Null Audio LUNE MKIV

支払いは、全てPayPal経由で行うこともできますし、発送先等をサイトで入力することもできます。

私の場合はNull Audioにユーザー登録していることもあり後者で進めます。

Null Audio LUNE MKIV

住所を手打ちで入力するか、ログインすると上記のようになります。

次に進みます。

Null Audio LUNE MKIV

次は配送方法の選択です。

Registerd Parcelはいわゆる書留郵便、FedEx Economyは宅配便という扱いです。

早く届くことよりも安さを重視してRegisterd Parcelを選びました。

ちなみに右側を見ると結構な額がDiscountされています。

これはメールで配信されてきたクーポンコードを適用したからですw

残るは送金方法。

Null Audio LUNE MKIV

こちらはクレジットカードを使う場合。

Null Audio LUNE MKIV

こちらはPayPalを使う場合。ここでもPayPalを選択できるんですね。

意外と簡単だったと思います。

Null Audioはガレージメーカーなのに対応がすごく良いですよ!

ということで次はケーブルが到着してからですね。

 

LUNE MKⅣを買ってみた(その1)

今回は先日リケーブルのために発注したNull AudioLUNE MKⅣを紹介します。

 

Null Audioについて

ケーブルの前に、メーカーであるNull Audioを紹介したいと思います。

と言っても実はほとんど知らないのでNull AudioのサイトのAbout Usを見てみます。

Null Audio Studio is a professional audio workshop based in Singapore. We specialize in handcraft various cables and peripherals for high-end IEM and headphones. We are established in the year of 2008 and have expanded into a team of more than 10 employees. We build cables with our passion in music and strive to make music representation more faithful to its source with our premium cables!

Being the pioneer of custom IEM cable maker, we have been in this craft since the year of 2008 and the Lune series is the first ever upgrade cable made for the renowned UE TF10. Over the years we have sold more than 30000 pcs of Lune series and over 6000 pcs of Arete series IEM cables. Null Audio has grown from an one man show into a business with dedicated producti on, customer service, sales and management team of more than 10 employees/music lovers:) That includes 2 PhDs in material science and electronics engineering! The sold cable amount alone is a testament to the sound quality and build craftsmanship of our cables.

IEM cables are consumable items since most of them will see heavy daily usage, being pulled, stretched, tangled, knotted, cut or even chewed by pet are common to be seen. We have provided at least one year warranty on all of our cable and it is backed by a strong customer service and production team. We have a showroom in Singapore and the production team is also located locally. Even most of the IEM connectors are proprietarily designed and molded in house. Such arrangement made it possible to create an efficient ordering and RMA system, unlike many other brands who outsource production to cheaper labor countries, in the event of RMA, it takes weeks or even months to conclude. If in any unfortunate circumstances you snapped your precious Null Audio cable, send it to us and we will make sure it will be on its way back to you in matter of days. We have established such reputation people will even give up their warranty and pay us to repair their 3rd party brand cables, including those Singapore brands!

We are the official distributor for Advanced AcousticWerkes. We also carry products from Rooth Professional Audio, Hidition, Canal Works, Shozy and Viablue.

If you have any questions regarding our service, email us at sales@null-audio.com and we will get back to you as soon as possible.

via Null Audio

うーん、長い!(笑)

うさげぼの拙い英語力で頑張って読んでみたところ、

  • 2008年設立のシンガポールの小規模な工房、いわゆるガレージメーカー。
  • ハイエンドIEM(インイヤーモニター)とヘッドホン用のケーブルや周辺機器を作っている。
  • Ultimate EarsTriple.fi 10 Pro(BA型のイヤホン、通称10pro)用の初めてのアップグレードケーブルであるLuneシリーズを作った。
  • ケーブルは全て独自設計・自社生産している。
  • ある意味消耗品と言えるケーブルなのに1年間のRMA(返品保証)を提供。

という感じのことが書かれているような書かれてないような。合ってます?

とにかく、小さな会社であるにも関わらず、その品質の良さからLUNEシリーズだけでも3万個以上売れているというのだからすごいですよね。

Lune MKIVについて

今回私が注文したLune MKIVは、正式にはLune Series MKIV Premium Upgrade Cable for Earphonesという名称なのだそうです。

が、長ったらしいので皆さんLUNEと呼んでいます。
このLUNEですが、どのようなケーブルなのか、またNull Audioのサイトを見てみます。

第4世代のLUNEてこんなの

The Lune series 4th generation is here!

The Lune utilizes specially made silver wires with chemi-resistant TPE sleeving as high performance conductors, braided to reduce low range and interference noises. It minimizes transmission phase shifts and distortions while providing immense clarity over the sound realm with better depth, width, image focus and finer low range resolution. The Lune is of extreme light weight, terminated with high quality audio connectors. This is a very sharp looking cable and serves as the best IEM replacement cable on market.

via Null Audio

説明によると、

第4世代のLuneはTPE(熱可塑性エラストマー)スリーブ加工を施した銀線を使用し、低域・干渉ノイズを低減するためツイストケーブル仕様になっている。これによって、位相シフトや歪みを最小化し、より深み・広がりのある、フォーカスと解像度に優れた鮮明な音場を提供している。また、高品質のオーディオコネクタを備えており、極めて軽量で外観も非常にシャープであり、マーケットで最高のIEM交換用ケーブルである。

ということです。

さすがはハイエンドケーブルと言われているだけあって自信たっぷりですね。

第4世代で変わったこと

What is changed in the MKIV generation?

  • OCC casted silver/rare metal alloy conductor, same secret recipe, now OCC casted.
  • Litz 4 configured conductors – Four individual 18-strand conductors, total 72 strands per wire, 288 strands per cable.
  • Four individual braids surround a centre Kevlar reinforcement fibre core for maximum tensile strength and durability
  • Ultra clear and durable TPE insulator
  • Copper bodied IEM connector(For 2PIN/MMCX/A2DC), Y-Splitter, 3.5/2.5mm connectors

This cable also optionally includes dual mode inline remote that supports both iOS and major Android devices. The remote is equipped with premium MEMS micrphone which offers crystal clear call quality.

via Null Audio

第4世代で変わったのは以下の点らしいです。
これって変更点なのか?と思わないでもないですが。

  • OCC鋳造された銀とレアメタルの合金でできた導線
  • 18本の導線からなるストランドを4本撚った独立したワイヤー(導線72本)をさらに4本編んだケーブル(導線288本)
  • ケブラー製強化ファイバーコアを4本の組紐で囲むことで最大引張強度と耐久性を確保
  • 透明と耐久性の高いTPE皮膜
  • 銅製のIEMコネクタ(2PIN/MMCX/A2DC用)、Yスプリッタ、3.5/2.5mmコネクタ
  • iOS/Android両対応のインラインリモコンもオプション設定あり
  • リモコンには、クリアな通話品質のプレミアムMEMSマイクロホンを装備

意味も良さもケーブルマニアでないと理解するのが難しい内容ですね(笑)

スペック

最後にスペックはと言うと、

Specs

  • Wiring Color: Silver/Clear
  • Length: 1.2 meter or 48 inches (length customization supported, please contact us)
  • Pin contact: 99.9% gold hard plating over brass, insulated in thermalplastics
  • Weight: 20g
  • Warranty: 1 Year

via Null Audio

  • 配線色:シルバー/クリア
  • 長さ:1.2メートルまたは48インチ
  • ピンコンタクト:真鍮に99.9%純度の硬質金めっき、熱可塑性樹脂の絶縁
  • 重さ:20g
  • 保証期間:1年間

だそうです。

海外製なので初めて買う人は不安かもしれませんが、1年保証が明示されているのは安心感がありますね。